往年、中秋節の贈答品といえば陽澄湖の大閘蟹だが、今年はどうも怪しい様子。今年の中秋節は往年より十日ほど早く、陽澄湖大閘蟹はまだ成熟期に至っていないのだ。買い求め出来るのは予約チケットだけ。
――陽澄湖大閘蟹 中秋節後に市場出荷
往年の習慣では、陽澄湖大閘蟹は中秋節前に市場に出回っていた。しかし北京都市部にある多くの専売店では、店頭のガラスケースには一匹の蟹も入っていない。陽澄湖大閘蟹業協会会長の説明によると、大閘蟹が水揚げされるのは一般に9月中旬。しかし今年の中秋節は往年より早い。「早い時期に水揚げした大閘蟹は品質が落ちるのが心配。現地の農業部門や協会と話あった結果、中秋節後まで延ばして水揚げすることにした」。経済的利益を考えると中秋節と歩調をあわせたほうがいいが、ブランドイメージを考えると、今年は中秋節より後に出荷する選択となった。十月一日の国慶節には十分間に合うとのことだが。
華堂商場の買い入れ担当者の話では、陽澄湖大閘蟹は9月18日から店頭に上るとのこと。水揚げされて売り場に運ばれるまで14時間。昨年と比較すると陽澄湖大閘蟹の価格はおそらく10%から15%高りそうとのこと。
――蟹チケット 一日2000枚販売
大閘蟹がまだ水の中でのんびりできても、市場では様々な形で販売が開始している。特に今年は蟹チケットが飛ぶように売れている。カルフールでは十匹買うと一匹プレゼントという販売スタイル。金陽社の大閘蟹贈答チケットは最低326元で最高は826元、1088元。こうした中等高等商品は昨年より100元前後値上がりしている傾向にある。
ネットショップで検索すると、京東商城、易迅網、卓越亜馬孫など多くのB2Cで大閘蟹贈答チケットを販売中。一日に売れる大閘蟹チケットは約2000枚に上る。「八時間セール」と称し、月餅や大閘蟹をメインに注文してから配達まで8時間以内というサービスもあり。
――予約チケット 危険も
陽澄湖の大閘蟹専門店北京販売所が平安大街にあるが、ある店の店長の話によると、事前に蟹チケットを買う人の多くがプレゼント用という。実際の販売価格が決まっていないため、金額は好きに書いて、最後に実際価格で決算するという。金額や包装は顧客の要望が優先され、「特級」や「至尊」と言った字を印刷。蟹の大きさや品質は全く無関係にこうしたことが行われている。
ある業界関係者も、一般に贈答券を持って専売店に来る顧客は蟹の重量まで分からないため、一部販売商は重さが足りない蟹をセットに入れたり、更には異なる産地の蟹を混ぜて売る輩もいるという。